EEGFlow Commons

Primer

入門:マインドアップロード / WBE を「測れる問題」にする

夢を守るために、まず物差しを作る

Mind Uploading Research Project

Open Access Last Updated: 2026-02-05 Human-first

TL;DR

マインドアップロードを「いつか実現するかも」という話から前進させる最短ルートは、先に勝利条件反証条件を決めることです。EEGFlowは、そのための検証基盤(Verification Commons)を作ります。

まず結論:いま言えること/言えないこと

Rule

  • 言える:「この条件なら、このタスクで、この指標が改善した」
  • 言えない:「意識を転送できた」「本人が生存した」などの強い主張(定義と検証が未固定だと崩れる)
  • EEGFlowの役割:強い主張を、先に“小さく反証できる主張”へ分解して積み上げる

WBE(Whole Brain Emulation)とは何か(操作的定義)

WBEは「脳を別基盤で動かす」研究の総称ですが、どこまでを“再現できた”と呼ぶかで必要技術が変わります。 EEGFlowでは、議論が散らないようにクレーム階段で主張レベルを分けます(詳しくは Roadmap の P0/P1)。

ポイント

「入出力が似ている」だけでは、WBEが要求する“生成(因果)”を満たしません。だからこそ、評価の設計(ベンチマーク)が中心になります。

クレーム階段(成果の言い方を揃える)

ざっくり言うと、下ほど「検証しやすい」、上ほど「主張が強い」です。

レベル 何ができたら「前進」か(例)
L0 再現可能な解析 データ・コード・環境・ログが揃い、第三者が同じ結果を再現できる
L1 デコーディング 神経信号→状態/刺激/行動などを予測できる(ただし相関の可能性)
L2 生成モデル 未学習条件でも予測し、介入(刺激変更など)への応答を当てられる
L3 閉ループ リアルタイムで環境と相互作用し、安定に動く(制御が破綻しない)
L4 本人性の主張 事前登録したテストで、記憶・価値観・学習の連続性を評価できる
L5 社会実装 権利・安全・ガバナンスまで含めて運用できる

Decode(翻訳)と Emulate(生成)は別物

デコーディングは「観測された脳活動」を意味(文章など)へ翻訳できますが、WBEが必要とするのは「内部状態が時間発展し、介入に反応し、将来の出力を生成する」ことです。 このギャップを埋めるには、反事実介入予測で検証できるベンチマークが要ります。

ありがちな“すり替え”

「脳→文章が出た」だけだと、実は“文章が出るように最適化した翻訳機”かもしれません。WBEに近い主張をするには、刺激条件や課題条件を変えたときの分岐(もし〜なら)が一致するか、をテストにします。

Verification Commons

EEGFlowはこのギャップを「テスト」で埋めることを目的にしています。

検証基盤を見る →

何を作れば前に進むか(EEGFlowの実務)

1

まず「勝利条件」を固定する

この分野は“言い方”で前進したように見せられます。指標と反証条件を先に書くのが最重要です。

Roadmap: 前進の定義
2

再現できる入力(データ)を揃える

BIDS/EEG-BIDS、メタデータ、QCログで「第三者が走らせられる」状態にします。

Datasets
3

比較可能な出力(ベンチ)を作る

スコアだけでなく、失敗例やデータリーク検査も含めて“比較のルール”を公開します。

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